ゆるキャンの登場人物が使用するバーナーとクッカーの考察

続きです。

鳥羽美波の使用するバーナーとクッカー

ゆるキャンより引用
  • 使用バーナー SOTO レギュレーターストーブ
  • 使用クッカー LODGE ロジック・スキレット&カバーセット
  • 使用燃料 CB缶

主な特徴

ビールにぴったりの焼き目のついたベーコンができます。あとワインにぴったりのアヒージョも作れます。あとはバターコーンとかジャーマンポテトとか…とにかくおいしい酒のつまみが作れます。

キャンプ道具ごとの解説

SOTO レギュレーターストーブ

ゆるキャンとの比較 レギュレーターストーブ

 CB缶シングルバーナーです。登山よりもキャンプを想定して作られています。志摩リンのウインドマスターと同じくマイクロレギュレーターという独自構造を持っているため低温に強いのが特徴です。

SOTOの公式サイトの紹介ページより引用
低温には負けないという鉄の意思が伝わってきます。

 バーナーの炎の出方は焼いたり炒めたりする事に適した拡散型になります。調理器具全体にバランス良く炎がいきわたるのでスキレットやホットサンドメーカーなどに最適です。

 リンのウインドマスターと比べ強風には少々弱いですが、レギュレーターストーブ用の風防もオプション品として売られているためそちら…いえ、気になる方がいらっしゃいましたら『レギュレーターストーブ ダイソー 風防』で検索してみてください。

レギュレーターストーブ用ウィンドスクリーン ST-3101

 ちなみにレギュレーターストーブはリンの愛用しているアルミロールテーブルと相性が若干悪く、すのこみたいになっているところの隙間に足が挟まりやすく不安定です。そしてそこそこ場所を取ります。ですが鳥羽先生の持っているような天板が平らですこし大きめの机であれば何の問題もありません。

 このレギュレーターストーブはそのまま使うと火傷を負いやすいです。レギュレーターストーブを購入する際は安全のためにもレギュレーターストーブ専用アシストセットも購入する事を強く推奨します。

レギュレーターストーブ専用アシストセット
レギュレーターストーブ専用アシストセット 使い方

 レギュレーターストーブ本体と専用アシストセットで8000円ぐらいするので高級バーナーの類になります。ウインドマスターといいレギュレーターストーブといいオプション品がいろんな意味で絶妙です。


ちなみにカラーアシストセットだとケース抜きで半額で購入できます。


「シリコンチューブ持っているからアシストレバーさえあればいい」という方はアシストレバー単品で購入できます。さらに半額になります。


Amazonですとレギュレーターストーブの限定モノトーンからが販売されております。通常販売と比べて1000円ほど高くなっておりますがそのへんはお好みだと思います。あとは限定品としてメルヘンモデルというのも以前出ていました。

LODGE ロジック・スキレット&カバーセット

ゆるキャンとの比較 ロジック・スキレット&カバーセット

 最近すっかりおなじみになったスキレット。言いかえれば鋳鉄製のフライパンです。『重い・手入れが面倒・金タワシで遠慮なく洗える・肉がおいしく焼ける』と言った特徴があります。ロジック・スキレット&カバーセットは約7000円と高級スキットです。ブランドにこだわらねければ3分の1ぐらいでそれなりのスキットとスキレット用の蓋は買えます。

なぜか広島東洋カープコラボモデルが存在します。

 スキレットについて調べると「スキレットは使い込んでいくと油がなじんで食材や汚れがこびりつきにくくなり黒く輝きを増す」「スキレットは『育てる』もの」とよく言われるんですが、ロッジのスキレットは売られている状態からすでにその状態になっています。最初から最終形態です。大垣千秋が行っていた最初の油慣らし(シーズニング)はロッジのスキレットに関しては不要です。

ロッジの公式サイトより引用

 使用後にはお手入れが必要で料理をそのまま入れっぱなしにしたり洗わずに放置すると半日もたたない内に錆びます。「とりあえずウェットティッシュで拭いておいて家帰ったらちゃんと洗おう」が通用しません。料理後、数時間以内に必ず洗浄・水気を飛ばすための空焚き・油慣らしをする必要があります。油膜が取れるため洗剤を使ってもいけません。正直面倒です。

お手入れ方法 | LODGE(ロッジ)|公式ブランドサイト
https://www.lodge-cooking.com/use_care/care/

 扱いに注意が必要なスキレットですが、それ以上に「肉や餃子が美味しく焼ける」恩恵があります。分厚い鉄なので高温が持続し焼きムラが少ないので、ベーコンやハンバーグなどを外側をしっかり焼き上げ、かつ中がジューシーな状態に仕上げてきます。

ゆるキャン△より引用

 そしてスキレットはテフロン加工されたクッカーやフライパンなどと違って高温に強く、焦げ付いても金だわしでこすってしまえばいいので焚火で料理するのに向いてます。あとスキレットの料理としてアヒージョが挙げられるのは大量のオリーブオイルを使用するため料理するだけで油慣らしになるからです。いってしまえばデブ養成調理器具です。


 「ロッジのやつは高いしスキレット自体手入れめんどくさそうだけどスキレットで焼いたうまい肉は体験したい」という人は

  1. ニトリやネットショップなどで数百円ぐらいのスキレットを購入
  2. 最初のシーズニングだけはちゃんと行う
  3. 使う時は必ず油をひく
  4. 使い終わったあとは洗剤を使おうが使わまいがすぐに洗う
  5. 洗い終わった後は水気をふき取り、残った水気を飛ばすための空焚きを行う
  6. 余裕があれば空焚きが終わった後にオリーブオイルを塗る(別にしなくてもいい)

これだけやれば十分です。料理する時に油さえ引けばなんとかなりますし、こびりつきもタワシやクレンザーで強引にこすり落としても何の問題もありませんし、水気さえ飛ばして乾燥した場所においておけば2週間に1回ぐらいぐらいの使用頻度でしたらそこまで錆びません。


ゆるキャン△より引用

ちなみにニトリのスキレットは大垣が使用しているモトスキの元になったスキレットです。

CB缶

各務原なでしこと同じです。…とこれで終わるのもつまらないのでCB缶直結式シングルバーナーとOD缶直結式シングルバーナーの違いを解説していこうと思います。

  • OD缶直結式シングルバーナー
様々な種類のOD缶直結式シングルバーナー

 縦に展開するタイプが大半です。そのためCB缶シングルバーナーより面積を取りにくく、小型テーブルを使用する場合や山や渓谷などで使いやすいといった特徴があります。あとはCB缶直結式シングルバーナーと比べてコンパクトです。

  • CB缶直結式シングルバーナー
様々な種類のCB缶シングルバーナー

 横に展開するタイプが多いです。そのためOD缶シングルバーナーよりも多少面積はとってしまうものの鍋の置く位置が低くなり安定して置くことができます。

余談 志摩リンと鳥羽美羽のキャンプスタイル比較

バーナーやクッカーからみるリンのキャンプスタイル

ゆるキャンより引用
  1. パックアウェイソロクッカーの中にOD缶とウインドマスター両方にしまえてコンパクトになるため、積載量の限られた原付には適している。
  2. ウインドマスターの炎の出かたが噴射型であり、使用クッカーも底が深い鍋タイプなので湯沸かしや茹で料理に適している。
  3. 小型テーブル使用者であり、ウインドマスター自身がそこまで面積を取らないため、机の上にコップやボトルなど様々な物を置くことができる。

バーナーやクッカーからみる鳥羽先生のキャンプスタイル

ゆるキャンより引用
  1. OD缶直結式シングルバーナーと比べると多少かさばりはするものの、車を用いたキャンプだとそこまで影響はない。
  2. レギュレーターストーブの炎の出方が拡散型であり、使用クッカーも底が浅いフライパンタイプなため、炒め料理や焼き料理に適している。
  3. そこそこ大きめのテーブルの使用者であり、レギュレーターストーブぐらいの大きさならば使用に全く問題がない上に、机の上にコップやベーコンなどを置いてもまだ余裕ができる。

これらの事を踏まえると、リンと鳥羽先生は同じSOTOのシングルバーナー使用者ではありますが対照的なキャンプスタイルをとっている事が分かります。面白いですね。

鳥羽涼子(火おこしのお兄さん)の使用するバーナーとクッカー

ゆるキャンより引用 真ん中の人です。
  • 使用バーナー MSR シングルバーナー・ストーブ ウィスパーライト インターナショナル(新モデル)
  • 使用クッカー SOTO ステンレスダッチオーブン
  • 使用燃料 ホワイトガソリン(または灯油)

主な特徴

 低気温をもろともしないガソリンの高火力で厚さ数センチもある分厚い鍋を包み込むストロングスタイル。高くて扱いに難があり手軽さは一切ないものの、自分自身でメンテナンスが可能だったり頑丈にできていたりと一生使っていける道具になります。

 間違っても初心者が最初に手を出すとひどい目に合うタイプの道具たちです。キャンプに慣れた火起こしのお兄さんだからこその道具。初期投資はえげつないものの、実は一番ランニングコストが安いです。えぐいぐらいの高頻度・えぐいぐらいの長期間と使っていくのであれば一番安く済みます。

キャンプ道具ごとの解説

(新モデル)MSR シングルバーナー・ストーブ ウィスパーライト インターナショナル

ゆるキャンとの比較 ウィスパーライト インターナショナル

 ホワイトガソリンや灯油などの液体燃料を使用する分離式ガソリンバーナーです。分離式のため重量級の鍋も使えます。圧倒的に低温に強いです。低温に強いパワーガスの缶と比較しても数段上をいくレベルです。

  • 自分で修理・メンテナンスができるため一生モノの道具として使える
  • 使用燃料であるホワイトガソリンや灯油のランニングコストがガス缶に比べ格段に安い
  • 液状燃料は無くなりそうになればそのたびに補給すればよく、ガス缶みたいに『なくなりそうだから2缶もっていこう』という心配がない

 とここまで書くと今まで上げてきた中で一番いいバーナーに思えるし、「初めてのキャンプはこれ買っておけばいいかな」となるんですが、実際手に取ってみると心をバッキバキに折りにかかられるのでその要因も記載しておきます。

  • スイッチ一つで点火する今まで紹介してきたバーナー類と比べてポンピングやプレヒート(余熱)などの下準備が必要
  • 値段が今まで出てきたバーナーにくらべ圧倒的に高い
    • ウィスパーライトインターナショナル本体16500円
    • 専用の燃料ボトル3740円
    • メンテナンスキット2200円

 ポンピングによって加圧した空気で燃料を送り出す作業です。それ自体は特に苦痛ではありません。液状燃料を気化させるためのプレヒートが重要かつ心折れポイントになります。

ウィスパーライトの説明書より引用 プレヒートのやり方

 プレヒートとは余熱の事です。バーナーの炎がでる部分を温めて液体燃料を気化させる必要があります。そしてプレヒート自体が赤く大きくゆらめく炎でバーナーを包み込みます。ガス缶バーナーのスイッチ一つで青くて安定した炎しか体験してこなかった身には「ウッ…」となります。

 固形燃料(旅館の鍋料理とかに使うあれ)を使うとプレヒートでも安定した炎がだせるのですが点火に使うだけのものに30円ぐらい払うと思うと若干高額なので嫌になります。

MSR公式youtubeチャンネルのプレヒートのやり方より引用
余熱でこれです。あくまでこれは余熱です。

 プレヒート不足だとでかい火柱が出てきます。心折れます。あとプレヒート不足で液体燃料が気化しないままバルブを開けているとそこから燃料が漏れてきて引火すると火事になります。ガソリン床にまきちらして火をかけるようなものでなので。

 ただウィスパーライトインターナショナルはガソリンストーブの中でも構造が単純なほうなので不具合は起きにくいらしいです。メンテナンスキットで大体のパーツを分解できると紹介してくれた店員さんが説明されたのですが、プレヒート疲れでもう心が折れていたので検証はしてないです。

ゆるキャンアニメとの比較 MUKAストーブ

 そんなプレヒートが不要な革新的ガソリンストーブとして登場したのがアニメ版で使用されていたSOTO MUKAストーブです。ただもうウィスパーライトでかなり疲弊したので検証してません。申し訳ございません。

ガソリンバーナー色々比較

 アニメで使用されたSOTO MUKAストーブですが、作画を担当された方がおそらく真ん中のコマの△部分を見てリンが使用するウィンドマスターと同じメーカーの商品と勘違いし、その中で一番形状が近いMUKAストーブをモデルに選んだのだと思います。


SOTO ステンレスダッチオーブン

ゆるキャンとの比較 ステンレスダッジオーブン

 ジャンバラヤを作っていたステンレス製ダッジオーブンです。作中ではLODGE ロジック・スキレット&カバーセットも使っていましたが鳥羽姉の項目で説明したのでそちらは省いてこちらの説明をすることにします。

SOTOの公式サイトより引用
ジャンバラヤの作り方は公式サイトで紹介されています

 この鍋が壊れるより人間一人が死ぬほうが先だろうぐらいの分厚くて重くて頑丈な鍋です。値段は2万円ぐらい。高い。温まりにくい分冷めにくいのも特徴です。

 とにかく重い上にでかい上に温まりにくいので志摩リンや鳥羽先生が使用してた直結式シングルバーナーは使えません。ウィスパーライトインターナショナルなら分離式な上に高火力なので使用に問題がありません。

ロッジの公式サイトより引用 スタンダードなダッジオーブン

 本来ダッジオーブンと言うのはスキレットと同じ鋳物であり、油慣らしが必要だったり錆びたりとお手入れが大変です。ですが、SOTOのダッジオーブンはステンレスで作ることによって普通の鍋と同じように取り扱いができるのです。

 言ってしまえばただのごっついステンレス製の鍋なので、IHだろうがガス火だろうが使えます。家でも使えます。蓋が重いのでそこで圧力がかかり非常においしい煮物やカレーができます。炊飯したご飯もとても美味しくすじ肉もとろとろになるほどです。ですが、そういう目的で家で使うのであれば素直に圧力鍋を買ったほうがいいです。そっちのほうが低価格です。

 もちろんダッジオーブンなので焚火に突っ込んだり、蓋の上に炭を載せてオーブンみたいに上下加熱できたり、鳥の丸焼きができます。家庭でもアウドドアでも使える万能鍋ですね。

ホワイトガソリン(または灯油)

ホワイトガソリンとと灯油を入れるポリタンク

 ウィスパーライト インターナショナルやMUKAストーブなどの液体燃料を使用するバーナーは大抵ホワイトガソリンと灯油が使えるためひとまとめで説明します。

 ホワイトガソリンとは自動車に使うレギュラーガソリンのオクタン価が低いもので、ハイオクガソリン(高オクタン価ガソリン)の逆の存在です。オクタン価について気になる方は自身で調べていただけると幸いです。

 OD缶と同じくアマゾンやヨドバシカメラなどの通販サイトで手に入る上、ホームセンターに大抵置いてあるので手に入れるのが難しいほどのものでもないです。

 灯油はアウトドア専用の灯油があるというわけでもなく普通にガソリンスタンドとか移動式灯油巡回で売っている灯油です。とにかくどちらもガス缶と比べてランニングコストが安いです。デメリットはガス缶バーナーと比べて液体燃料バーナーの扱いの難易度がかなりあがることです。

終わりに

 ゆるキャンの登場人物にはそれぞれのキャンプスタイルがあり、それぞれのキャラクターが自身に見合ったバーナーやクッカーを選んでいる事が伝わっていたのならば幸いです。

 ここでとりあげたバーナーやクッカー以外にも世の中には様々なバーナーやクッカーがあります。読んでくださった方にも自身にぴったりな相棒となるようなバーナーと出会えることを願ってやみません。

 筆者自身がソロキャンや一人登山が多いため複数人用のバーナーやクッカーの仕様経験に疎く、液体燃料バーナーのプレヒートがとにかく苦手で説明にばらつきが出てしまった事をお詫び申し上げます。

 最後になりますが、執筆時の2020年3月14日現在、ゆるキャンはAmazonの電子書籍読み放題サービス『Kindle Unlimited』でコミックが3巻まで読める上にAmazon Prime Videoでアニメやドラマも配信中です。興味のある方がいらっしゃいましたらぜひご覧ください。